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福生の指定文化財

熊川の南稲荷講膳椀及び膳椀倉

 膳椀蔵は、婚礼や葬式、法事など、大勢の人を招いて行う行事に使う、大人数分の食器や道具をしまっておく倉です。かつては冠婚葬祭を個人宅で行っていましたが、多数の膳椀を個人で常備しておくことは困難だったので、複数人で共同所有する習慣が生まれました。都内では多摩地域に広く分布していましたが、式場の普及等によりほとんどみられなくなりました。
 熊川の南稲荷講では、現在も膳椀や膳椀蔵を所有し、これを初午行事などで使用しています。膳椀には多種多様な膳・椀、皿、湯桶、盃、角樽などの漆器、湯飲や猪口、火鉢などの磁器、ゆでたうどんを入れる切溜等の木製品などがあります。
 南稲荷講の膳椀は、現在でも行事に使用される生きた民俗資料であり、多摩地域の生活文化の特色を示すものとして重要であるとして、東京都指定有形民俗文化財に指定されるとともに、福生市登録民俗文化財としても登録されました。

写真提供:東京都教育委員会

  • 区分:福生市登録文化財
  • 種別:有形民俗文化財
  • 員数:984点、1棟
  • 指定日:H30.12.28

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